人工透析で性行為や性生活はどうなるのでしょうか。
男性の場合、女性の場合でも状況は変化します。
なかなか人に聞きづらい事ですし、デリケートな問題なのでパートナーと話あう事も、カップルによってはもしかするとむつかしい問題です。
このページは、人工透析患者の性行為・性生活について執筆しています。
人工透析をしている場合の性行為・性生活
医師から特別な説明や注意が無い場合、通常の性行為を行ってまったく問題ありません。
心拍数があがっても、通常の軽い運動に支障がでない方であれば大丈夫です。
注意点としては、普段の透析生活でも注意があるように、シャントを圧迫しない事と、清潔にする事。
念のため、パートナーにもこの2つは伝えておくのも良いかもしれません。
透析後の傷口は多少気にるので、性生活に限らず清潔にする事を心がけたいですね。
- 通常の性行為でまったく問題はない
- 心拍数があがっても、基本的に支障はない
- 普段から清潔を心がける
人工透析で生じる、男女別の性の問題
性行為そのものには、前述のとおり問題ありません。
しかし、人工透析を受けている(慢性腎臓病)場合、の男女には別の問題があります。
男性の場合
- 性欲の減退
- 勃起不全
- オーガズムへの到達困難
男性の場合、性行為に至るまでに課題が起きる事が大半のようです。
上記のいずれも加齢とともにその現象は顕著になります。
あえて、日常的な表現で記載させていただきますと
「セックスする気になれない。勃たない。勃っても持続しない。いけない(射精できない)」
とういう事になります。
腎臓病が原因で起こる症状なので、医師に相談しましょう。
ED(勃起不全)を解消してくれる薬を処方してもらったり、治療法を教えてくれます。
女性の場合
- 性欲の減退
- 月経困難
- 性発達の遅延
- 膣液の分泌障害
- オーガズムへの到達困難
女性の場合も、半数以上が性欲の減退が起きるようです。
また、生理に問題が起きる事も多いようです。
こちらも、日常用語にすると
「セックスする気になれない。生理が遅れる、生理に何かしらの問題がおきる、興奮しない、濡れにくい。いけない」
といった事が起きやすいという事になります。
性生活はパートナーあっての物。パートナーがこれらの状況を全く知らなかったり、理解が無いとより困難な性生活になるように思います。
なかなか性について話し合い、理解を得るのは、カップルによってむつかしい事かと思いますが、伝える努力はしていきたいですね。
人工透析をしている方の妊娠・出産
やはり、健常者に比べるとかなり高いリスクを伴うようです。
病院によっては、リスクが高すぎるため生まない選択を求められる事もあるようです。
お腹に別の生命を宿すため、栄養が普段よりも必要ですが、その栄養も健常者に比べるとわれわれ腎臓病を持つ者には摂取しづらいですね。
血圧についても、激しい運動が規制されている中、体力をうんと消費する出産を行う訳ですから、相当なリスクがあります。
透析と出産の両方を扱える病院も多くは無いので、住まいの近くにそのような病院が無い場合は遠くの病院に相談する事になります。
ハイリスクな出産を引き受けてくれる病院であるかどうかも探すのに苦労するかもしれません。
いずれにしても、透析の主治医と、出産を行う病院、妊婦さんの3者連携はとても重要になるようです。
透析の主治医とは、摂取カロリーや血圧について目標を設定し、これらをきっちり守る必要があります。
主治医や産婦人科の先生と、ご自身の状況についてよく相談した上で決定しましょう。
- 人工透析を行っている場合、出産はハイリスク
- 主治医や産婦人科によっては、出産に賛成してもらえない事がある
- 透析と出産の両方を見れる病院は多くない
- ハイリスクな出産を病院に断られることがある
まとめ
人工透析を行っている場合、性行為そのものには特に問題は無いものの、性行為に至る過程や、普段の性の問題、性行為後に想定される問題などがあります。
私の体感としては、「普段から疲れているような状態なので、あまり性欲が沸かない」といった状況が多かったように思います。
いずれにしても、ひとりで問題を抱えないという事が重要に思います。
主治医やパートナーに打ち明けて、アドバイスや理解を得る事から行っていきたいですね。
腎移植を行った場合、人工透析中とはまた違ったメリットや課題が発生します。
これについては、また別の記事で執筆いたいします。