腎不全と宣告されたけど、人工透析とか腎移植、入院費ってどうなるの?!
慢性腎不全になった場合、障害年金を受給できるのでお金についての心配はほとんど無いと思って大丈夫です。病院やその他の費用は、ほぼこの障害年金でまかなえますよ。
さらに、医療費が安くなる方法や障害の程度によって受けられる減税、他にもさまざまな特典もあります。
しかし、当時わたしもあちこち情報を探しましたがむつかしい!
障害年金に特定疾病なんたらに助成金、税金控除になんたらかんたら。
漢字がおおくてむつかしすぎる!もう少しポップなネーミングでお願いしたい。
さらに
という訳で、なるべくポップにご紹介していきます。
腎不全になったらもらえるお金
障害厚生年金と障害基礎年金、障害手当金
慢性腎不全で障害者認定を受けると、障害の程度によってもらえる金額が変化する障害年金が受給できます。
慢性腎不全でもらえる障害年金は3つ。
- 障害厚生年金
- 障害基礎年金
- 障害手当金
ほんと、年金のネーミングで挫折しそうです。
障害基礎年金
障害の状態が、障害等級表の1級または2級に該当しているともらえるお金。
【1級】 976,125円
【2級】 780,900円
これは年間でもらえる金額の事です。
偶数月に、指定の銀行口座に振り込まれますよ。
2級の場合、¥130,150が2か月に1度振り込まれます。
子供がいると、さらに追加のお金が受給できるんだね
障害厚生年金
【1級】
報酬比例の年金額 × 1.25
【2級】
報酬比例の年金額
【3級】
報酬比例の年金額 最低保障額 585,700円
報酬比例の年金額は、収入によって収めている厚生年金額が違いますよね。
その金額に比例するという意味なので、人によって違います。
こっちは結婚してると追加のお金がもらえるのね。
障害基礎年金とあわせて、2か月に1度振り込まれるよ。
障害手当金
報酬比例の年金額×2(最低保障1,171,400円)
こちらは継続的ではなく、手当として受給できるお金です。
現在、1級や2級に該当しなかった場合、受けられる可能性がありますよ。
病気やケガが治った場合にのみ受給できるお金です。
障害年金について相談する方法
日本年金機構
厚生労働省の管轄で年金の事すべてを取り扱っています。
右も左も分からない状態でも教えてもらえます。
腎不全になったら、真っ先に不安になるのはお金の事だと思います。
自分がどのようなステップで年金を受け取ることができるのか確認しましょう。
申請には何度か通う必要があります。
書類を自力で集めるのはかなり大変な事もありますが、自分ですべて申請できれば余計なお金がかかる事はありません。
腎不全になったらまず日本年金機構に電話しましょう!
自分がもらえる可能性があるお金の事を聞いてみましょうね。
社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)
いわゆる社労士(しゃろうし)と呼ばれる職業の方です。
厚生労働省などの管轄ではなく、一般企業や個人事業主です。
社労士の業務は多岐にわたるため、障害年金を得意とされている事務所かどうかを確認してから問合せましょう。
社労士に依頼するメリットは、手間が全くかからないという所。
また、依頼金についてはほとんどの場合、年金が振り込まれた後で支払う事が多いので安心です。
相場は支払われた障害年金の10~20%が多いようです。
日本年金機構に問合せた後に、自分でやるのが手間だと思う方や、
申請の難易度が高そうだと感じる場合は依頼するのも手です。
ほとんどの社労士は成果報酬型で受注するため、少しでも受給できる見込みがある年金を洗い出してくれます。おすすめはやはり、成果報酬型である事と、代行手数料が少しでも安いところを探しましょう。
腎不全になった場合の医療費
長期高額疾病(特定疾病)ちょうきこうがくとくていしっぺい
しっぺい、って読めないですよね。笑
特定疾病は、毎月の医療費の自己負担額が大きく減りますよ。
例えば透析治療場合、自己負担は1か月1万円が上限です。
※一定以上の所得のある人は2万円が上限。
予備知識として、入院と外来、薬局などでは、それぞれで別の負担になります。
また、入院時の食事代や有料の部屋を契約する場合は100%自己負担なので間違えて高級な個室などに入院しないように気を付けてくださいね。
手続き方法
まずはご自身が住んでいる場所の以下の機関に問合せてみましょう。
- 健康保険組合
- 健康保険協会
- 共済組合
- 市町村健康保険課
- 後期高齢者広域連合
検索がむつかしい場合、以下のキーワードで検索をすると情報が出てくると思います。
検索キーワード「特定疾病 住んでいる市区町村名」
これについては病院でも案内があると思いますが、忘れないように申請しましょう。
申請が受理されるまで実費、なんて事もあります。
申請後に返金はされますが、持ち合わせが少ないと大変です!
障害者手帳でさまざまな割引を受けられる
さて、障害年金と特定疾病で最低限の資金ぐりが終わったら、まずはひと安心です。
ここからはお得に生活できる内容について。
障害者手帳があると、公共・民間問わずにさまざまな恩恵を受ける事ができます。
料金が安くなるものや、待遇を良くしてくれるものなどたくさんのサービスがあります。
障害者手帳で受けられる割引やサービス
- 公共交通機関の割引や無料化
- 高速道路の割引50%
- 飛行機の割引
- タクシーの割引
- 公共機関(美術館やスポーツセンターなど)の割引
- 映画館の割引
- USJの割引や待ち時間の軽減
- 保育料の割引
- 携帯料金の割引
などなど、一覧にはまとめきれないほどの割引や特別待遇が受けられます。
代表的な所だけでも覚えて、上手に活用していきましょう。
何か利用するときは、障害者割引が利用できないか確認しよう!
本人と付き添い1名まで受けられる事もよくあります。
障害者手帳の申請方法
身体障害者手帳の申請は、住んでいる地域の市役所や区役所、福祉事務所などに問い合わせてください。
減税や減免などの税制優遇
税金は知らないうちにたくさん納税しているので、きちんと調べて利用する事をおすすめします。
税金の減免・障害者控除
- 所得税の控除・減免
- 住民税の控除・減免
- 自動車関連の控除・減免
所得税の控除
障害者控除 27万円(特別障害者のときは40万円)が所得金額から差し引かれます。
同居している配偶者や扶養親族がいる場合、「同居特別障害者」が適応され、75万円が所得金額から差し引かれます。
働けなくて課税になる所得が無い場合は、世帯の納税者が対象になりますよ。
住民税の控除
障害者控除 26万円(特別障害者のときは30万円)が所得金額から差し引かれます。
同居している配偶者や扶養親族がいる場合、「同居特別障害者」が適応され、53万円が所得金額から差し引かれます。
所得税と住民税の控除で、年間数万円以上お得になります。
むつかしい事は考えずに必ず手続きをしましょう!
自動車税の減免
こちらは、完全に地域によって減免内容が変わってきます。
概要を記載しますので、ぜひお近くの自動車税に関する機関に問い合わせてください。
自動車税の減免を受けられるタイミング
- 新しく自動車を購入する時
- 中古車を購入する時
中古車でも自動車税が減免されます!
自動車税の減免額例
- 総排気量が2リットル以下の車は全額が減免
- 総排気量が2リットル以上、2.5リットル以下
¥43,500の課税額から\36,000減免され、納税額が¥7,500
乗用車なら排気量が2リットル以下の車は自動車税が無料になります!
地域によりますが、多くの地域で無料になります。
他にも障害者用に改造する場合や、自動車の環境性能によっても減免が受けられる地域があります。
住んでいる地域の自動車税に関する機関に問い合わせてくださいね。
各種申請や問合せ先
- 「障害年金」 自分で申請する場合は日本年金機構
- 「障害年金」 プロに依頼する場合は社会保険労務士事務所
- 「長期高額疾病」 健康保険組合、健康保険協会、共済組合、市町村健康保険課、後期高齢者広域連合
- 「障害者手帳」 市区長汚損の役場、福祉事務所
- 「所得税の障害者控除」 税務署
- 「住民税の障害者控除」 市区町村の税務担当窓口
- 「自動車税」 税務署
検索キーワード「住んでいる市区町村 調べたい項目」
これでほぼ情報が出てきます。
この記事にまとめた内容は、ご自身で100%把握しなくても全く問題ありません。
重要なのは申請や手続きをきっちり行う事。
そして、問い合わせ先で必ず聞いてほしい事があります。
障害者になったのですが、私が受けられるサービスを全て教えてください。
これです。あえて、あいまいに聞いてください。
知識を少しつけて、「障害2級なんですが、住民税の控除はいくらになりますか?」
と具体的に聞かない方が良いです。
住んでいる地域やご自身の収入、障害の等級や年金の等級などによって受けられるサービスにかなり幅があります。この記事ですべて網羅はできません。地域によって毎年あたらしい制度が導入されたり変更されたりするからです。
障害年金や税金控除を利用した場合の例
年収300万円の方の例
障害基礎年金 2級 +¥78,0900(年額・子なし)
障害厚生年金 2級 +¥1,070,958(年額・配偶者あり)
長期高額疾病 -¥240,000(年額・通院費)
公共交通機関 ¥0(年額)
所得税 -¥97,500(年額)
住民税 -¥288,000
合計 ¥1,466,358 + 所得額
年収300万円で働ける方なら、生活には全く困らない事が分かります。
まとめ
働けなくなったり、家族が障害者になる事などでお金の心配はとても大きな問題だと思います。
ただでさえ自分の体の事で不安を抱えているのに、お金の心配はさらに精神的にも追いやられ、より体を悪くしてしまいます。
この記事に記載した「障害年金」と「長期高額疾病(特定疾病)」、「障害者手帳」の申請は絶対に行うようにしてください。申請から給付まで半年近くかかる事もあります。
なるべく早く、この3つは100%実施してください。お金の心配は無くなるかと思います。
所得税や住民税、自動車税については上記の3つが終わった後でも十分です。
お金の心配から解放されて、人生を楽しんでいきましょう!
また、今の職場で働く事が困難になった場合でも、障害者採用枠という制度が企業には定められています。会社の規模によって障害者を採用しなければならない、というものです。
腎不全の方は基本的に、健常者の方のような働き方ができる事が大半ですので、企業側としても採用しやすい傾向にあります。積極的に障害者採用を利用していきましょう。
こちらについては、また別の記事で取り上げていきますね。