このページでは、腎移植をした後の性行為について注意点や疑問について執筆しています。
腎移植を行った後の性行為、性生活の注意点や疑問点
- 移植後、いつから性行為を行っても良いのか
- 免疫抑制剤で免疫が下がっているが、性行為はしても良いのか
- 性行為で、しない方が良い事
医師にこちら側から相談するのも、なかなか勇気がいる事ですよね。
特に込み入った質問などはしづらいですし。
私も医療関係者では無いですし、正直なところ結構書きづらいですが、なるべく詳しく書いていきたいと思います。
腎移植後、いつから性行為を行っても良いか
ネット上では、腎移植後の性行為に関する文献はとても少なく、内容もばらけています。
私の体験談と、各文献を参考にまとめていきます。
運動の観点から見た、腎移植後の性行為
激しい運動の開始は、3カ月以降とする病院もあれば、半年とする病院もあります。
私の場合は、激しい運動は半年~1年は控えるように、と言われていました。
期間はそれぞれ別として、激しい運動をしてはいけない理由は、腎臓が体の中で移動してほしくないから、というのが主な理由です。
ウォーキング等であれば、移植後の1カ月以降からむしろ推奨されます。
推奨されない激しい運動
- 走り回る
- 腹筋に力が入りすぎる
- ボールや物、人とぶつかる運動
- 傷口が大きく動く運動
これらの運動については、そもそも傷口が開く可能性もあるので移植後3カ月はやめておいた方が無難です。
私の場合は、主にフットサルをしていたので、上記全てに該当するため1年は我慢とされていました。
性行為は激しい運動に該当するか
そして、性行為が激しい運動に該当するかというと、よほどアクロバティックな趣向でない限り、ウォーキングやジョギングに近いかと思われます。
目安としては心拍数が120程度までの運動を目安にすると、有酸素運動の観点からも激しい運動とはならないかと思います。
もちろん、心拍計を装着して性行為にのぞむというのは無粋ですし、自分の心拍数と呼吸の関係を知っておくと良いのでは無いかと思います。
ジョギングやウォーキングで心拍数を120まであげて、その時の呼吸状況を体で覚えておくと良いでしょう。
性行為中に、心拍数が120以上の呼吸になると思われる場合は、パートナーに打ち明けてペースダウンしたり、中止するなど、理解を求めるようにしましょう。
個人的な意見になりますが、こういった事に理解を示してくれないパートナーの場合、良いパートナーとは言えないと思います。
経過観察の観点から見た、腎移植後の性行為
腎移植後は、移植した腎臓が安定するかどうかを経過観察します。
移植後、週2回の通院で1か月ほどを過ごし、その後月4回、月2回、月1回、と通院頻度が減少していきます。
月1回になるまで、だいたい3か月~半年ほどかかります。
問題があれば、通院回数は増えます。
私は、サイトメガロウィルスというウィルスが見られたので、正常とされるまで時間がかかりました。
月1回の通院になり、その後も月1回の通院で良い、となればひとまず移植した腎臓は安定したという事になります。
性行為を行っても良い時期
これらの内容からすると、最低でも3か月はおとなしく腎機能の安定化を待ってから性行為を行うのがベターと言えそうです。
心配な方は、半年待つのも良いと思います。
半年あれば、ウォーキングやジョギングで基礎体力もかなり戻すことができます。
基礎体力があがれば、心拍数の上がり方もゆるやかになるため、それだけリスクも回避しやすいと言えそうです。
しかし、やはり推奨したいのは医師に相談する事です。
上記はあくまでも体験や文献から読み解いた私の個人的な見解でしかなく、腎移植をされた方の状態については全く分かりません。
医師しか知り得ない情報もたくさんあると思いますので、参考として考えていただくようにお願いします。
免疫抑制剤で免疫が下がっているが、性行為はしても良いのか
腎移植を行うと、免疫抑制剤を服用し、免疫を下げた状態で生活する事になります。
特に移植後から約半年は強めの免疫抑制を行う事が多いようです。
免疫が下がると、風邪はもちろん、さまざまなウィルスに感染しやすくなります。
免疫抑制剤は、その服用量に限らず永続的に服用し続けるため、服用が終わるのを待ってから性行為を行う、という流れにはなりません。
性行為では、自身がウィルス感染していなくても、パートナーが感染していると感染する事があります。
感染しないように性行為する上で注意する事
- 互いの体調が少しでも悪い時は避ける
- 清潔にしてから行う事
- 妊娠が目的で無い場合、コンドームの着用を行う事
互いの体調が少しでも悪い時は避ける
風邪も、体調が少し悪いと風邪という言い方をしますが、200種類とも言われているウィルスが原因で引き起こす風邪症状の事を言います。
免疫が下がる薬を服用している事で、ウィルス感染にしやすくなるため、パートナーと自身のどちらかが体調不良や睡眠不足の時の性行為は避けた方が無難です。
ウィルスや細菌に感染すると、せっかく移植した腎臓が機能しなくなる可能性や、最悪のケースだと命に係わる事もあり得ます。
お互いの体調に気を配り、安全に性行為を行うようにしましょう。
清潔にしてから行う事
近年、当たり前のような知識になりましたが、体は雑菌だらけです。
免疫抑制を行っている場合、雑菌もできるだけシャットアウトしたいところです。
お風呂に入ったり、歯を磨くなど、お互いできるだけ清潔にしてから性行為を行う事が無難です。
私の主治医は
「ある程度清潔ならそこまで神経質にならなくても大丈夫とは思います」
とおっしゃっていましたが、出来る事ならやっておきたいですね。
妊娠が目的で無い場合、コンドームの着用を行う事
コンドームの着用は、免疫抑制をしていない場合でも性感染症の観点からも行うべき事です。
コンドームの性感染症の予防効果は約98%と言われています。
妊娠が目的ではない性行為であれば、コンドームの着用は必ず行うようにしましょう。
性行為でしない方が良い事は?
性行為と一口に言っても、内容は人それぞれ。
もう少し具体的な内容についても触れていきます。
キスはしても良いか
相手が感染していなければ、感染する事はありません。
感染症の内容としては、風邪、ヘルペス、クラミジア、淋病などの性病などに感染する可能性があります。
相手がなんらかの感染症でないかは、できれば知っておきたい所です。
オーラルセックスはしても良いか
相手や自分の性器を咥えたり舐めたりする行為なので、相手が感染していれば感染する可能性があります。
これも 風邪、ヘルペス、クラミジア、淋病などの性病などに感染する可能性があります。
アナルセックスはしても良いか
しない方が良いでしょう。
通常の性行為よりも感染リスクが高いとされています。
直腸の粘膜は傷つきやすいため、挿入すると傷つきやすい特徴があります。
傷口から感染する事があります。
その他のアブノーマルなセックス
言わずもがな、やめておきましょう。
まとめ
腎移植後の性行為について、執筆いたしました。
いかがだったでしょうか。
私が医師に念を押されたのは「不特定多数との性行為は控えてください」と何度も言われました。
ここまで読み進めていただいた方はお分かりだと思いますが、お相手の理解がとても重要です。
理解が無い場合、清潔にしてもらえなかったり、体調が悪くても性行為に及ぶ事もあるかもしれません。
気遣ってもらえるパートナーとのみ、性行為を行う事が理想的です。
不特定多数と性行為に及ぶという事は、完全に信頼できる相手かどうかも分からない相手も含まれるという事になります。
せっかくいただいた腎臓ですので、大切にしていきましょう。
- 性行為は最低でも移植後3か月、できれば半年以降から行う
- 移植後は、基礎体力の向上に努める
- 性行為前はお風呂に入る、歯を磨くなど、清潔にする
- できればパートナーに感染症が無いか検査を受けてもらう
- アブノーマルな性行為はしない
- 妊娠を目的としない性行為は、コンドームを着用する